イベント情報

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2013蔵見学会

2013年賀茂鶴蔵見学

2013年3月2日(土)

賀茂鶴酒造(東広島市)

広島県酒造組合では、毎年1月から3月の新酒の仕込み時期に広島県の蔵元を見学する『蔵見学会』が行われています。
今年は、三宅本店(呉市)、賀茂泉酒造(東広島市)、藤井酒造(竹原市)、賀茂鶴酒造(東広島市)、亀齢酒造(東広島市)の5蔵で開催。
その中から3月2日(土)に行われた賀茂鶴酒造の見学会をご紹介します。

賀茂鶴酒造は、元和9年(1623年)に醸造業を興し、明治6年(1873年)に「賀茂鶴」の酒銘を冠して現在に至っています。

今回の見学には18名が参加。賀茂鶴の大ファンで、山口から参加した女性グループもいました。
「お酒のはなし」とビデオ鑑賞の後、8号蔵を見学。その後レストラン「佛蘭西屋」で懇親会というスケジュールです。

お酒のはなし

賀茂鶴酒造(東広島市) 蔵見学最初に、製造本部長の荒巻さんから「お酒のはなし」がありました。「日本酒と健康&美容」「日本酒の表示基準」「日本酒の甘辛と濃淡」「日本酒の製造工程」などについてです。資料に沿っての説明は、とてもわかりやすく、皆さん真剣です。

ビデオ鑑賞では、日本酒の製造工程も学びました。精米、麹、酒母、もろみなどの言葉の意味もなんとなく分かったような気がします。酒造りは奥が深いんですね。

この後いよいよ蔵見学です。


8号蔵 蔵見学

賀茂鶴酒造(東広島市) 8号蔵見学参加者が多かったため、荒巻さんのグループと杜氏の沖永さんのグループに分かれて見学します。

この8号蔵は「全国新酒鑑評会」で14年連続金賞受賞という記録を持っています。
蔵に上がる前に沖永さんから渡されたキャップをかぶり、しっかり手洗い・消毒をします。雑菌は大敵です。

最初に見学したのは麹室。麹室は外気を遮断し、麹菌の育成に適した約30度に保たれています。麹の出来具合でお酒の味が決まるといって過言ではないくらい、麹造りは大事な工程なのだそうです。昔は「麹室」に酒の神が宿っていると考えられていた神聖な場所。「まさか、こんなところまで入れるなんて・・・」皆さん感激です。

「麹枯し室」では米麹を味わいました。初めて口にする米麹はほんのり甘みがありました。

続いて「酒母室」。ここには大きなタンクがずらりと並んでいます。酒の香りとアルコールは酵母がつくります。アルコール発酵を健全に行うため、多くの優良な「酵母」を増殖させるのが酒母です。「酒母」は麹と蒸米と水に酵母を加えて造られます。タンクごとに仕込み日が記され、温度管理がされていました。
タンクの中ではアルコール発酵によって炭酸ガスが発生しています。「とても危険なので、気を付けてください」と沖永さん。「おー!」と声が上がります。

「醪醗酵室」のタンクは、足場の下にたくさん並んでいます。
「酒母」に、「麹」「水」「蒸米」を加えたものが「もろみ」です。「もろみ」を発酵させる日数、温度などは、杜氏の経験と分析により判断します。杜氏は泡などの状態から「もろみ」の発酵状態を把握します。「まさに職人技!」感動です!。

「搾り」を見学した後、できたての酒粕も少し味見。できたての酒粕は堅いばかりでなく、甘みもありませんでした。酒粕もまた、発酵がすすむとやわらかくなり、甘みが出てくるのだそうです。

ほんとうに「酒」は生き物なんだと感じた見学会でした。

賀茂鶴酒造蔵見学


飲み比べ

飲み比べ今回は熟成にスポットを当て飲み比べをしました。

「賀茂鶴8年秘蔵熟成酒」「ゴールド賀茂鶴」「社員さんが自宅で数年保存したゴールド賀茂鶴」の3種類。
「賀茂鶴8年秘蔵熟成酒」は長期熟成により、琥珀色でとてもまろやかな味わいです。熟成によって深みが増す感じがしました。

ただ、酒の好き嫌いは人それぞれで、「ゴールド賀茂鶴」が一番飲みやすくて好きといった参加者もいました。

日本酒の保存についての説明では、製造方法によっても違いますが、家の中でも涼しく、温度の安定しているところで保存すれば、長期保存も可能ということです。


「佛蘭西屋」で懇親会

「佛蘭西屋(フランス屋)」で乾杯お楽しみの懇親会会場は賀茂鶴酒造直営のレストラン「佛蘭西屋(フランス屋)」です。ここは日本酒の仕込み水を使い、季節感のある料理と賀茂鶴のお酒が楽しめます。もちろん西条名物「美酒鍋」も有名です。
町屋をイメージしたおしゃれで落ち着いた空間でした。

荒巻さんの乾杯の音頭で始まった懇親会。乾杯酒は「賀茂鶴 あらばしり吟醸 無濾過 生原酒」。ワイングラスに注がれ演出も素敵です。

藤原総料理長から料理についても伺いました。
コンセプトは「日本酒文化と洋食文化のハーモニー」。 最初に出された「砂肝のコンフィー」は、砂肝を80度で蒸したものだそうですが、その不思議な触感にびっくり。大吟醸の酒粕を使ったパンプディングは特に好評で、皆さん大絶賛!

参加者はそれぞれ、おいしい料理と賀茂鶴のお酒に酔いしれ、おしゃべりに花を咲かせ、しばし楽しいひと時を過ごしました。

賀茂鶴酒造直営「佛蘭西屋(フランス屋)」で懇親会

取材後記

お土産に「超特選特等酒カモツル」をいただき蔵見学は終了です。
普段は絶対に入ることのできない麹室や醪醗酵室見学に、みなさん「本当に有意義な蔵見学だった」と大満足の様子でした。そして、手間暇かけた酒造りと、職人さんたちの酒を思う真心に触れ、感動した一日でもありました。

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