2014年第3回 「Osakeテラピー」の模様をUPしました。


平成26年7月26日(土)広島県酒造組合で、女性のためのお酒のスクール
「Osakeテラピー」が行われました。淋しいことに3回シリーズの最終回。
なんとパネリストには、男性の蔵人を招いてパネルディスカッションを実施
しました。酒造りの裏話に納得したり笑いがこぼれたり…日本酒の魅力を
改めて実感できる充実した2時間となりました。
もちろん、お酒もたっぷり楽しみました。
うれしいのはいい酒ができたとき
二人の緊張も解け、話題は酒造りの楽しさについて。うれしいのは「意図した酒ができたとき」「おいしいと飲んでいただけたとき」。 反対に辛いのは、寝ずの番となる酒造り。15〜30分おきに室の温度、麹の様子を確認するため、睡眠不足に。「酒造りが始まると 蔵が生活場所。男ばかりでむさくるしいですよ〜!」とつい熱が入る畠さん。「小さなころはイタズラをすると閉じ込められていたこと もあって、私にとって怖い場所なんです」と思い出に浸る小野さん。そんな裏話に会場から笑いが起こります。蔵人さんとの距離が ぐっと縮まって、ますます酒造りに興味が湧いてきました。
そして、「自然と笑顔になれる酒、食事の相性を楽しめる酒造りに力を入れたい」と小野さん。畠さんは「いつもそばに置いていた だける酒。その酒を囲んで笑顔になってくれたらうれしい」と話します。
そんな二人の酒の楽しみ方は、「食事のあとのデザートと(小野酒造の)古酒の組み合わせが気に入っています」と小野さん。 酸味の強いフルーツと大吟醸を合わせるそうです。カレーのルーをなめながら、酸の多い純米酒も美味だとか。外で賑やかに 飲むことが多いという畠さんは「(八幡川酒造の)蔵は海に近いこともあって、白身魚の刺身との相性がいいですね」とのこと。 「今度試してみます!」としっかりメモです。
うれしいのはいい酒ができたとき
迎えたパネリストは、二人の男性の蔵人。参加者とスタッフ含めて40人を超える女性に見守られ、緊張した様子です。「煮ても焼き もしませんから〜」という女将の言葉で場が和み、会はスタート。まずは自己紹介がてら酒づくりに携わるきっかけをお聞きしました。 小野酒造の小野さんは営業マンで、家業を継ぐために小野酒造に入社。「小さな蔵なので、酒造りも瓶詰め、雑務もするおかげで仕 事を覚えた。やってみると製造が向いていたんですね」。今は社長であり、杜氏でもあります。八幡川酒造の畠さんはスポーツにかか わる仕事をしていて、元々なじみのあった地元の酒蔵に社員として入社。ご実家の仕事ともかかわりがあったそう。現在は、酒造りの 補佐から、瓶詰め、出荷作業、広報活動、営業まで、多岐にわたった業務に従事しています。
二人に共通していた話題が、杜氏の後継者不足と経営の難しさ。季節雇用だった杜氏を社員に迎えたり、また社員が酒造りを学んで 杜氏になったりなど、工夫を重ねて酒造りの歴史を?いでいます。そのおかげで、私たちはおいしい酒をいただけるんですね。
酒の辛口、甘口って?
辛口、甘口は日本酒度でみることができ、プラスの数値が高いほど
辛口。酒造りの定義はありますが、「うち(小野酒造)の辛口はすっきり
のどごしがよいもの、甘口は米の味やうまみがしっかり出たもの」「(八
幡川酒造の)純米はしっかり味がでるので辛くても甘口に感じる」など、
味わいの評価はさまざま。やっぱり酒は奥が深いですね。
お待ちかねの試飲タイム。「お酒を飲むと脱水になりやすいので、水
をしっかり飲んでくださいね」と、和らぎ水が各テーブルに置かれました。
パネリストのお二人から、「広島もみじ酵母」で造った酒「老亀 特別純米」「八幡川 吟醸」が登場。広島もみじ酵母とは、広島県
立総合技術研究所食品工業技術センターと広島県酒造組合が、4年がかりで共同開発した新酵母。滑らかで軽快でフルーティ
ーな味わいと香りが特徴で、食中酒にぴったり。飲み比べると、同じ酵母を使っても味わいが変わることがよく分かります。
今日、最初の酒をくいっと飲み干して、「やっぱりおいしいねえ」と宴会のスタートです。
お酒が出てくる、出てくる…。そろった酒は全14種類!蔵人の二人もテーブルについて、参加者の皆さんと交流です。
声のボリュームも上がり、笑い声があちこちで上がります。初めての人とでもあっという間に打ち解けることができる、これぞ、
酒の醍醐味ですね。
ほろ酔い気分で認定証を贈呈
会の終わりに、ほろよい「Osake」スペシャリストの認定証を贈呈。そのカードには、卒業生が守らなければならない五ケ条が書 いてあります。居酒屋で「広島のお酒はありますか」と大きな声で聞く、カードを見せびらかして広島の酒で乾杯する、蔵元の思 いを胸に最後の一滴まで飲み干すなど、ユニークなものばかり。「広島の酒を誰よりも素敵にのむこと」という約束に、皆さんも 「任せて」といわんばかりに大きくうなずきました。
参加者の皆さんの感想を紹介すると、
・たくさんの酒を飲み比べることができるなんて!
・酒は美容にも健康にも、人付き合いにもいいですね
・酒の良さを県外にも広めたい
・こんなおいしい酒がある広島を誇りに思います
・酒が少ししか飲めない私でも十分楽しめた
・これまで肩身が狭かったけど、日本酒好きな人にたくさん会えてうれしい
といった喜びの声が続々。おなじみの乾杯三唱で幕を閉じました。
次の再会のチャンスは9月27日(土)にはANAクラウンプラザホテル広島で、
秋のOsakeテラピーパーティー「辰巳達郎流 日本酒の楽しみ方」が開催されます。
またお会いできますように!