2016年第3回 「Osakeテラピー」の模様をUPしました。

第3回「Osake テラピー」スクール スタート!!
平成28年7月9日(土)広島県酒造組合にて、女性のためのお酒スクール 「Osakeテラピー」の第3回目が開催されました。
『カラダ・ココロ・キレイ』日本酒の3つのテラピー効果をテーマに、5月から始まったスクールの最終回となる今日は、老舗酒蔵の代表であり杜氏でもある原さんを講師にお招きし、酒造りに関する様々なお話しを聞きました。第2部の懇親会は講師の原さんも交え、美味しいお弁当とお酒でスクールを締めくくりました。参加者の皆さんには、卒業に寄せる熱い思いも語っていただきました。
老舗酒蔵をビルに、日本初の地下醸造に挑戦!
スクール最終回となる今日は、株式会社原本店の六代目原純さんをお招きし、日本初となる地下醸造の苦労や工夫、酒造りにかける思いなどをお聞きしました。
原さんの生家である原本店は、創業200余年の老舗酒蔵。第二次大戦中、原爆により建物が全焼しましたが、翌年には酒造りを再開、長い歴史を重ねてきました。平成2年に五代目が亡くなったのを契機に、蔵の跡地にマンションを建設する計画が進行し、一時は廃業の可能性も浮上。それを契機に、他の酒造会社に勤務していた六代目の原さんが蔵を継ぐことを決意。思案した末、マンションの地下に醸造所を設け、日本で最初の地下醸造による酒蔵が誕生しました。
地下でお酒を造る際の一番の問題点は、温度や湿度の管理。原さんの蔵では、従来は杉板の抗菌、保温、乾燥効果を利用して行われてきた麹作りを、テントに使われるゴアテックス素材を使って行い、空調設備で蔵全体の温度や湿度の管理を行うことによって一年を通してお酒を造る四季醸造を実現しました。地下で酒造りを行う際の大変さには、荷物の搬出・搬入などの困難さもあるのだとか。様々なご苦労を乗り越えながら、奥様と二人三脚で日々、酒造りに取り組む原さん。「明日は、今季初搾りのお酒を妻と二人で味わいます。」と、少し照れながらお話しされていました。
一本、一本、同じ物だけど進化させたい。
原さんが酒造りにあたってこだわっていることは、広島の素材を使うこと。以前、東京のイベントに参加した際「どうして地元の米を使わないのですか?」と質問された事がきっかけとなり、以後、地元の米、酵母、水を使って酒造りをするようになったそうです。
地域とのつながりも大切にしていて、地元の子供たちが作ったお米を使ったお酒造りにも挑戦しているのだとか。子供たちが作るのは食用米のため、醸造には難しさもありますが、前向きに挑戦しているそうです。
お酒を造るにあたっての目標は、一本、一本、同じ物だけど進化させて向上させられるように努力すること、と語る原さん。酒造りに真摯に取り組み、老舗酒蔵を未来へと繋ぐ意欲溢れるお話しに、参加者の皆さんも真剣な表情で聞き入っていました。
懇親会で総仕上げ!!
講演会に続いては、皆さんお待ちかねの懇親会。今日の宴は、講師の原さんが特別に用意してくださった生酒『奏(ハーモニー)』でスタートです。
「まずはフレッシュな香りを楽しんでみてください…それではカンパイ!!」原さんの発声で第2部の幕開けです。
野菜がふんだんに使われたお惣菜弁当をつまみに、13種のお酒をいただきます。皆さん、最終回ということもあり、料理やお酒だけでなく気心知れた参加者同士、会話にも花が咲きます。
日本酒女子憧れの!?認定証授与
盛り上がりも最高潮を迎えたところで、知る人ぞ知る!?広島県酒造組合認定証が一人、一人に授与されました。認定証には卒業生五ヶ条が書かれていて、広島のお酒を愛する「Osake」スペシャリストの心得とすべく常に携帯してください!!とスタッフからの熱いアドバイスに参加者全員、笑顔で頷いていました。
卒業にあたって思うこと
認定証を受け取った皆さんそれぞれに、このスクールに寄せる思いを語っていただきました。
「長年の思いが叶って福山から参加しました。とても楽しかったです。」
「広島に引っ越して来てまだ間がないけど、広島のお酒や食べ物が美味しいことを実感しました。これからは認定証を携帯して頑張ります!」
「物造りをする場面、されている方にお会いすることが出来てお酒を飲むだけでなく、お酒造りの世界にも興味が沸きました。」
そして、皆さんが口を揃えて語っていたのは「広島のお酒の美味しさを再認識した」ということ。さらに、「卒業は寂しい!」という声も沢山聞かれました。
名残は尽きませんが、今秋予定のOsakeテラピーパーティーでの再会を楽しみに、今日の宴はカンパイ三唱でお開きです。それぞれ、再会を約束しながらお猪口をお土産に帰途へ着きました。