第13回広島の酒祭り(10月1日アリスガーデン)

■10月1日は「日本酒の日」
1978年、日本酒造組合中央会が10月1日を「日本酒の日」と制定しました。
「酒」という字は、酒壷の形をあらわす象形文字の「酉(とり)」に由来します。この「酉」が十二支の中では10番目にあたるため、10月は酉(さけ)の月となりました。さらに酒造業界では毎年10月1日から酒造年度が始まります。そのため酒造元旦である10月1日が「日本酒の日」と定められたそうです。
2017年10月1日、広島の地酒を飲み比べる「第13 回 広島の酒祭り」が中区のアリスガーデンで開催され、今年は43の蔵元の自慢の酒が並びました。
今年は4時間の拡大版
今年は午後3時から午後7時まで、4時間拡大版で行われました。心配されていた雨も降らず、過しやすい天候の中、開場前から受付には長蛇の列ができました。この酒祭りでは「きき放題1500円」または「3杯で500円」のどちらかを選び専用のプラカップを購入、利き酒を楽しみます。
参加した蔵元の中には、地元以外では手に入りにくいものもあり、個性豊かな広島の蔵元の日本酒を味見するには絶好のチャンスです。スタートと同時に、人気の蔵元には行列ができました。杜氏や蔵人など、酒造りを担う人たちと直接交流ができることも、このイベントの楽しみの一つ。「今年は米が変ったの?」「相変わらず旨いね」など、会話が弾んでいました。
例年、仕事帰りのサラリーマンやOLの姿が多く見受けられるのですが、今年は日曜日ということもあり、友人や仲間を誘い合わせて参加されている方が目立ちました。遠方から一人で来られた日本酒マニアの方も多かったようです。
広がる日本酒の輪
午後5時には、恒例の日本全国一斉乾杯。広島では、カープの連覇と2軍とのアベック優勝を祝い、日本シリーズ制覇を祈って乾杯が行われました。すでにほろ酔い加減のお客様が多く、ひときわ高らかに「カンパイ!」が響き渡りました。
今年は13回目なので、すっかり日本酒好きの間で定着したイベントになり、「久しぶり」「こっちで一緒に呑もうや」と仲間の輪がどんどん広がっていきます。「いろんな銘柄のお酒を呑んで、感想を言い合うのが楽しい」と女性3人組。
会場には地元の老舗料理店などの屋台も出て、日本酒に合ったおつまみを堪能できます。持ち込みもOKなので、お弁当や好みのおつまみを持参し、ブルーシートや椅子も用意して、ゆっくり楽しんでいる常連さんも見られました。今回で5回目という女性は、「穏やかな広島の気候が生んだ料理には、広島の酒がぴったり」と美味しいおつまみに舌鼓を打っていました。
「日本酒のイベント楽しい」
広島の外国人向け情報誌が日本酒の特集をしたこともあり、今年は外国人の方も多く来られていました。同じ醸造酒なので、ワイン感覚で楽しめることも人気の秘密のようです。
「日本酒の味わいはとても複雑で、バラエティに富んでいます。自分の好きな料理に合うお酒を探すことは、日本での暮らしの大きな楽しみの一つですね」と、広島に来て20年近くになるというイギリス人男性は語ってくれました。
今年は長時間だったためか、人がぶつかりそうになるほどの混雑は無く、比較的落ちついて楽しめたようです。楽しい宴にも終わりは来ます。午後7時に改めて一同で「カンパイ」をし、イベントは締めくくられました。
今年もたくさんのご参加ありがとうございました。
広島県酒造組合では、「広島の酒祭り」開催のほか、女性限定の「Osakeテラピースクール」、酒蔵見学など多彩なイベントを企画しています。ぜひ今後もイベントに参加して日本酒を楽しんでくださいね。