酒のいろは

日本酒と料理の相性

日本酒をつかった伝統的な調理法を知り、家庭料理に適用すれば、料理の腕は確実にアップします。

伝統的な調理法

魚の生臭みをとる。身をやわらかくする。素材のうまみを引き出す・・・
プロの料理人は、調味料としての日本酒の特徴を知って、料理を最高の状態に作り上げます。遡れば平安時代にすでに飲用の日本酒とは別に、料理用の日本酒があったとされるほど、日本酒は料理の隠し味として使われてきました。
日本酒を使った伝統的な調理法を知り、家庭料理に適用すれば、料理の腕は確実にアップします。

酒蒸し(さかむし)

写真日本酒を使って蒸すのでこの名があります。材料は、はまぐり、あわび、白身の魚、貝類など。貝類は「酒出し」といって、日本酒と煮出し汁とを同量くらいにし、塩味にして蒸し煮にします、魚は後述する酒塩をして蒸します。あわびも酒塩を入れた湯で10分間くらい茄でてから酒塩を振りかけて蒸すと、やわらかくおいしくなります。


酒煎り(さかいり)

魚介類や鶏肉などの生臭みやくせを除き、日本酒の風味を移すための調理法です。鍋に材料と日本酒少量を入れ、汁気がなくなる程度に煎りつけます。

酒塩(さかしお)

文字通り、少量の塩で味をととのえた酒のこと。下処理として材料を漬込んだり、焼き物の仕上げに塗ると、味がととのい、上品な仕上がりになります。魚の切り身を酒塩に浸しておいてから焼くと、味と焼き色がいちだんと冴えてきれいに仕上がり、身も締まって一層おいしくなります。また小鍋に酒塩を入れ、魚介類やきのこなどを加えてさっと火を通したり、串打ちしたイカに酒塩をかけてさっと焼き、そのあとウニを塗る、酒塩につけて蒸すなどいろいろな用途に使われます。

酒煮[酒塩煮](さかに)

写真たっぷりの日本酒を使って煮ること。味つけは塩だけで、日本酒の風味を最大限に生かす調理法です。醤油を使う場合は、ごく少量に控えて。



煎り酒(いりざけ)

日本酒に梅干しを入れて、弱火でゆっくりと煮詰めたもの。煮切りみりんや淡口醤油、かつお節、焼き塩などを加えることもあります。なますや酢の物に酸味の味つけをするときや、白身魚やエビなど、淡白な刺し身のつけ醤油代わりに用いると、味がすっきりと引き立ちます。

酒八方[酒塩八方](さけはっぽう)

写真だしに日本酒を加えたもので、主としてくせのある材料をあっさりと炊く場合に用いる八方だしの一種です。八方だしは、薄めの味に煮炊きするときに用いる、だしの分量が多い合わせだしのこと。「四方八方」に使えるということからこの名があります。一般には、だし八に対してみりん一、醤油一の割合で合わせ、ひと煮立ちさせて作ります。材料に応じて、日本酒、砂糖、塩などで味を加減します。


すっぽん仕立て[丸仕立て]

多量の日本酒を用いた吸い物の仕立て方をいいます。すっぽんをはじめ、オコゼやコチなど、くせのある魚に用いられます。また、すっぽん煮といって、たとえば鶏肉と焼豆腐を、日本酒を主に、淡口醤油、みりん少量を加え、落としぶたをして煮立たせないように弱火でじっくりと火を通す調理法もあります。

玉酒(たまざけ)

日本酒と水を合わせたもので、一般的には同じ割合で合わせます。魚を洗って臭みを取るときに使います。また、振り塩をしてしばらく置いた魚を漬けたり、冷凍魚などをこの玉酒の中に漬けて解凍します。こうすると魚のうま味が逃げないからです。「玉」は、多摩川の多摩をもじったもので、水の意味。「玉酒に漬ける」とか「玉酒で洗う」と言い、主に関東で使われる料理人言葉です。

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